挑戦のきっかけは、小さな「もっとこうだったら」
私たちはお客様からいただく「困った」に、常に先回りして応えたいと考えています。
「この機能の使い方が分からない」「こんな時、どうすればいいの?」といった疑問を、お客様が自力で解決できるようにヘルプセンターの記事を充実させています。
ヘルプセンターでは、お客様からお問い合わせいただいた内容を基にして、Q&A形式で実際の画面を用いて操作手順をご説明しています。
しかし、記事作成にはリソースの限界があり、既存業務と並行して質の高い記事を制作することは、決して簡単なことではありません。
「もっと効率的にお客様のサポートをできるようにしたい!」
そんな、もっとこうだったらという小さな思いが、生成AIを活用したヘルプセンター記事作成への挑戦へとつながっていきました。
記事作成の舞台裏
■いざ実践!「LearnOの記事、書いてみて!」とお願いしてみた
「よし、生成AIに記事を書いてもらおう!」と意気込んで、まずはLearnOの基本的な機能を学習させ、シンプルな指示を与えてみました。
さて、その結果はどうだったでしょうか?
結果を見てみると、「うーん、ちょっと違うかな?」と正直思ってしまいました。たしかに基本的なことは書いてあるものの、LearnOの管理画面で「どこをクリックすれば見られるのか」とか「具体的にLearnOではどのような評価をつけられるのか」など、ユーザーが本当に知りたい「具体的な説明」に答えることができていませんでした。
これでは、お客様の『困った』を解決できない…
そう感じた私たちは、指示の仕方を根本的に見直すことにしました。
■「対話術」を磨く
なぜ、求めているような出力を得られなかったのだろうか。それは、生成AIとの間に情報のギャップがあったからだと考えました。
私たちは頭の中で、「LearnO初心者向けに」「LearnOという特定のツールの」「具体的な操作方法」という多くの前提情報を持っていました。しかし、生成AIはこれを知りません。なんでもできるスーパーマンなんだという幻想にとらわれて、丁寧に情報を伝達するということを忘れてしまっていたのです。
このギャップに気づいたのは、「知識のない人に同じ仕事を頼むなら?」と考えた時でした。私たちはきっと、「誰が読む記事か」「何がゴールか」を丁寧に伝えるはずです。この人とのコミュニケーションを生成AIとの協働でも当てはめてみました。
#あなたはLearnO初心者の研修担当者向けの、ヘルプ記事を書くプロです。
#この記事のゴールは 初心者でも迷わずに、LearnOのレポート評価機能を使えるようになることです。
#以下の構成で書いてください…
- ・この機能で何ができるのか
- ・具体的な操作手順
- ・初心者がつまずきやすい点とその解決策
#専門用語を避け、優しく寄り添うようなトーンでお願いします。
このように、「誰に(ターゲット)」「何を(テーマ)」「どのように(形式)」「どこまで(詳細度)」を明確に伝えた結果、生成AIがアウトプットする記事の質は劇的に向上しました。
私たちの「そうそう、それが言いたかった!」が詰まったたたき台が、あっという間に完成したのです。
こうしてできた、たたき台を参考にして、自分たちの言葉で改めて文章を構成することで、お客様にわかりやすいヘルプセンターの記事を作成することができました。
生成AIとの協働で見えた「3つのまなび」
今回の挑戦を通じて、私たちは3つの「まなび」を得ることができました。
1.「対話力」こそが、これからの時代を生き抜くスキルになる
生成AIは与えられた情報に基づいて動きます。自分たちが欲しい回答を出してもらうには、生成AIが理解しやすく、そして答えやすいように質問を投げかける必要があるのです。
「どのような情報を求めているのか」「どのような形式でアウトプットしてほしいのか」を明確に言語化する力、つまり「質問力」が、これから時代においてますます重要なスキルになると痛感しました。これは、生成AIに限らず、人とのコミュニケーションにおいて質問の仕方よって相手の回答は変わってくるので、普遍的なスキルであるんですね。
2. やっぱり、人の力は必要である
挑戦に取り掛かった当初は私たちがする作業がなくなると感じていましたが、実際にはそうはいきませんでした。なぜなら、出力された記事は完璧ではないからです。生成AIが作ったんだなという文章は、なんとなく感じることができてしまうものです。しかし、たたき台が作ってもらえればブラッシュアップするだけでいいので、記事作成は格段に楽になりました。
人がゼロからアイデアを出すのは大変ですが、たたき台を基にして人が表現をブラッシュアップしていくことで、今までよりも速いスピードで質を落とさずに作業を進めることができます。生成AIに任せるのではなく、上手に活用することが大切なんですね。
3. 「まず、やってみる」勇気が可能性を広げる
正直なところ私たちは、新しいテクノロジーに対して「難しそう」「自分には関係ない」と感じていました。もしかしたら、同じように感じていらっしゃる方もいるかもしれませんね。しかし、今回の挑戦を通して、「まずは、やってみる」というシンプルな行動がいかに大切かを実感しました。
もし私たちが、「AIなんて…」と食わず嫌いをしていたら、今回の「まなび」を得ることはできませんでした。少しの好奇心と「どうせなら試してみよう」という軽やかな気持ちが、新しい可能性をもたらしてくれたのです。
新しい学びの扉を
今回の生成AI活用への挑戦は、めまぐるしく変わる環境で私たちが学び続けることの大切さ。すなわち、新しいことに向き合い、試行錯誤する中で得られる「まなび」の価値を改めて感じました。
この記事が、皆さんの日々の「まなび」について考えるきっかけとなれば幸いです。


